Concept

「現在地を中心にしたガイドがあればいいのに」

観光地に住むということ

旅に出る前、目的地のことは調べてもその周辺に何があるかまではなかなか把握できません。ある程の観光地であれば「行けば何かあるだろう」とスルー。しかしその場になると意外とまわりに何もなかったり、疲れて頭が回らなかったりします。

ちょっと足を止めて一呼吸すれば、次の目的地へ颯爽と行ける。なのに、適当な場所が見当たらずヘトヘトのまま移動を続けたり、どうせならとガイドに出ているカフェに行き行列に並んで疲れる。そんな疲れてしまった人を「観光地」谷中でよく見かけます。

逆に「観光地」に住んでいる者からすると

「すぐ裏にもいいカフェがあるのに」
「外食しなくても美味しいお持ち帰りがある」
「いま、桜が満開なのはあっちのお寺」

など、つい口を出したくなる場面があります。
私たち住人が日々の生活で知ることが、谷中を訪ねる人にとっての「観光情報」になるということに、すぐには気がつきませんでした。

私は何代も谷中に住んでいる訳ではありません。私が引っ越してきた頃も谷中は「観光客慣れしている町」でした。しかしここ数年で一気に「町の観光地」化が進んだように思います。ごく普通に暮らしていて、前を通り過ぎる、買い物をする、お茶を飲む、ご飯を食べる場所で観光の人と一緒になることが増えました。

私が今夜のおかずに買うコロッケは、誰かの旅の味でもある

観光地に住むというのは、そういうことなのかなと感じます。

 

今どこにいる?

谷中を訪れる外国人観光客の多くは同じ分厚いガイドブックを持ち、同じ場所に向かっています。日本人も同じ場所で道に迷い、同じ店に行列しています。

ムスッとした家族を連れ、レストランを探すお父さん。お互いの疲れを隠しつつ歩き続けるしかないカップル。谷中は道が複雑なうえ、TVやガイドで紹介されているお店は意外と離れているので休みなく歩いて回るとかなり疲れます。それを見ている谷中の住人は「すぐ裏にカフェがあるよ」と伝えたくてモヤモヤしています。

そんなに観光地・谷中の情報は少ないのでしょうか?個人の谷中食べ歩きブログは溢れ、老舗のお店もサイトやSNSで公式情報を発信しているのに?

「今いる場所のまわりには何がある?」

目的地ではなく「今いる場所」のまわりの情報。
ガイドブックを持っていなくても、その場でスマホから情報を引き出せるのが今の時代。だったら「今いる場所」からやりたいこと、行きたい場所を探せたら?
外国人観光客に道を聞かれることはよくありますが、谷中の道を説明するのは相手が日本人でも難しいのです。でも現在地を含む地図があれば感覚的でわかりやすい。

やりたいのは情報をつなぐこと

お店や施設の最新の正確な情報は公式サイトや公式SNSに出ている。
その場所はGoogle Mapsでわかる。
自分の現在地もGPSでわかる。
それがつながれば、スマホ1つで「逆引き」も可能。
「目的地」ではなく「現在地」を元にしたガイドがあってもいい。

そういう考えから、このサイト  ” Mon Yanaka ” では位置情報を最優先しています。
インスタグラムではリンクできないお店のURLやGoogleMapsの表示を使って「正確な最低限」を発信するのが目的です。

あえて当てのない散策を楽しみたい時はスマホを見ずにのんびり歩けばよい。
でも疲れたらこのサイトの Mon MAP を見て、近くの適当なカフェで休む。
道に迷ったけど、今いる場所の近くにおもしろそうな店があるから覗いてみようか。

そんな風にその場でチョイスができれば、体は疲れても気持ちには余裕が生まれる気がします。

旅するように暮らす

最近は「暮らすように旅する」という言葉をよく耳にします。
観光地を何か所も急いで回るツアーではなく、マイペースに訪問地を楽しもうという傾向です。

であれば「旅するように暮らす」ことが観光地に住む面白さなのかもしれません。

旅行者の目線で自分が暮らす町を見た時、新しい発見がいくつもありました。今までただ通り過ぎていた看板や路地、季節ごとの町の変化にも気がつくようになりました。” Mon Yanaka “では事前に連絡を取っての「取材」はしません。個人的に聞いた話と写真のみです。

「ここ、写真に撮っていいですか?」と聞いてからカメラを覗く時、自分がこの町の旅行者になって記念の1枚を撮るような新鮮な気持ちになります。

何年も暮らして来た谷中を、言語が違う人とも、隣町から来た人とも「位置情報」をベースに共有すること。それは「自分だけの谷中」を見つめ直す、私自身の楽しみでもあります。

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